せっかく漬けた梅干に、カ、カ、カビのようなものが…
あ~残念だけど、処分しなくちゃ…
という経験をされたかたも多いのではないでしょうか?
手作り梅干しは、自分の好みの塩加減と量で、材料も少なく始められる季節の手仕事として大人気。食育の一環として、お子様と一緒に手軽にできると始める方もいるようですね。
そんな人気の梅干し作りですが、市販品と違い防腐剤などを使用せず作れるのが安心な反面、保存状態が悪いと、カビが生えてしまうことがあります。
捨ててしまうのはちょっと待って! 梅干しにカビが生えても、すべての梅がダメになってしまうわけではありません。
せっかく漬けたかわいい自家製梅干し、少々のカビで諦めたくないですよね。きちんと対処すればまだ食べることが出来るかも!
梅干しにカビが生える原因とは
塩分がしっかりあり、カビが生えることなんてないようなイメージがある梅干しですが、カビが生えてしまうのはなぜでしょうか。
考えられる原因をいくつかご紹介します。
●水分が残っていた
梅干しを仕込む時には、まずは梅を水洗いし、仕込み作業をしますよね。
その際、しっかり水分を拭き取らずに付け込んでしまうと、カビが発生しやすくなります。
特に、梅のヘタを取った部分は水分が残りやすいので、よく注意をしましょう。
●塩分が足りなかった
カビは、塩分が高い状況下では、活性しにくい性質があります。
裏を返すと、塩分が十分でないと、梅に雑菌が繁殖しやすくなり、カビが生えやすくなってしまうということです。
減塩ブームの傾向にありますが、梅干しの塩分濃度を15%以下にして仕込む場合、より注意と工夫が必要です。
●梅や紫蘇が傷んでいた
破れや大きな傷など、傷んだ梅や紫蘇を使うことも、カビの原因になります。
傷んでいる梅は、梅干しには向きませんが、ジャムや甘露煮・味噌など、加熱して加工すると無駄にせずに美味しくいただけます。
●容器の消毒が不十分だった
梅干しを作る際に使用する容器は、事前にしっかりと消毒をする必要があります。
小ぶりな容器であれば煮沸消毒、煮沸消毒が難しい場合は、アルコールや焼酎で満遍なく消毒します。また、水分が残らないようにしっかり水を切っておきます。
●梅が梅酢に浸かっていなかった
梅がしっかり塩や梅酢に漬かっていないとカビやすくなります。
梅の実に塩をまぶして漬け込み、数日すると梅酢が上がってきます。
梅酢が完全に上がり、すべての梅が満遍なく梅酢に浸かるまで、毎日容器を揺すり、梅の実に梅酢にあてながら様子を見ましょう。
梅干しに発生するカビの種類

梅干しに生えるカビの種類は、大きく分けて3種類です。
・白カビ(白色)
… 白カビは、食品に発生しやすく、白い綿のように見えるものが表面を覆っているのが特徴的。 食べても人体には影響がないものが多いようですが、中には人体に悪影響を与えてしまうものもありますので注意が必要です。
・黒カビ(緑・黒色)
… 梅干しに黒い色の斑点のようなものがみられたら、黒カビです。黒カビの場合は、梅干しの内側や周りの梅までカビが侵食している場合があるので、黒カビが見える梅、その周りの梅と広めに処分します。梅酢の中にも黒カビの菌が見えた場合は、カビが全体に行きわたってしまっている可能性があるので、残念ですが全て処分しましょう。
・赤カビ(ピンク色)
… 赤い斑点のようなものが見られたら、赤カビです。赤カビには毒性が強いものもあるので、黒カビ同様、カビのついた梅干し含む周囲の梅を広めに処分した方が良いでしょう。
梅干しにカビが生えた時の対処法
手順1)目に見えるカビはとにかく取り除く
カビがついて傷んだ梅の実を全て取り除き、他にも破れた梅や埃などがないかよく確認して、あれば取り除きます。
手順2)梅を洗う
梅の実を優しく水洗いし、熱湯で軽く煮沸後、天日干しをしてよく乾かしましょう。
手順3)梅酢を煮沸する

梅を漬けていた梅酢を漉して、梅の実同様に煮沸消毒をします。
手順4)容器を煮沸またはアルコール消毒する

煮沸またはアルコール消毒をした容器に冷ました梅の実と梅酢を戻します。その際、容器もしっかり乾いたのを確認してから梅を戻し入れましょう。
漬け込んでいる梅酢が濁り、容器の底の方の梅干しもカビがきている場合や、梅全体を覆うようにカビが生えている場合は、残念ながら処分した方がよいでしょう。
梅干しを仕込む際に出来るカビ対策
梅干しをカビさせないためには、水分と消毒に注意することが重要です。
使用する容器や道具は、しっかりと洗浄・消毒し、梅の実もよく洗って十分に水分を取っておきましょう。
梅の実は完熟しているものを使用すると、カビが発生しにくくなります。
漬け込みの間は、梅の実がしっかり梅酢に浸かっているか定期的にチェックし、容器を振って満遍なく梅酢が回るように注意して保管します。
あらかじめカビ対策をしっかりして梅作りをすることで、カビの発生は抑えることができます。
せっかくの季節の手仕事、1粒1粒大切にいただけるように心を配り、美味しい梅干しを作りましょうね。
梅干し作りの手順はコチラ