新型コロナが騒がれる今、“免疫力を高める”為に栄養価が高く、身体によいとされる様々な食品に注目が集まっています。病気にならない身体を作ることは、薬膳の基本的な考え方でもあります。
数ある食品の中でも、整腸作用があり、健康に寄与すると昔から食べられてきたのが納豆です。
日本の食卓には欠かせない代表的な発酵食材、納豆。
平安時代にはすでに食べられていた記録が書物に残されています。
薬膳的には、納豆は温性で身体を温める効果があり、血の巡りを良くしてくれる食品として知られています。
スーパーで買うのが当たり前になっている納豆ですが、自分で作れば、余計な添加物の心配はなく、子供たちに“安心安全”に食べてもらうことができます。プラスチックごみも出さずにエコ!
ご家族の健康管理に、手作り納豆生活を始めてみてはいかがでしょうか?
納豆の種類
納豆は大きく分けると、糸引き納豆と、寺納豆の2種類に分けられます。
糸引き納豆は一般に「納豆」と言われているお馴染みの納豆です。糸引きが強く、かつ粘りが強いものが良品です。
寺納豆は、いわゆる納豆のねばねばはなく、煮た大豆に麹菌と炒り麦をまぶして塩水で発酵させ、その後乾燥して作られる乾燥した食品です。
糸引き納豆は“納豆菌”、寺納豆は“麹菌”と、発酵に使用される菌が違うんですね。
〇糸引(いとひき)納豆 … 丸大豆(まるだいず)の納豆、ひきわり納豆など、 普段食べている納豆。
〇寺納豆(てらなっとう) … 塩辛納豆(しおからなっとう)とも呼ばれる。
納豆の栄養
糸引き納豆は、大豆を納豆菌によって細菌発酵させた発酵食品です。
畑の肉とも言われるほどたんぱく質が豊富な大豆。植物性たんぱく質源として優れた大豆ですが、消化が悪いのが欠点です。
その大豆の加工食品である納豆は、納豆菌による発酵中にたんぱく質を加水分解し、消化吸収がしやすくなります。又、発酵によって、ビタミンB2などのビタミン類も増加します。
他にも、ビタミンKやミネラル、食物繊維、大豆イソフラボンやナットウキナーゼなど栄養も豊富です。
納豆の作り方
《材料》
・大豆 100g
・市販の納豆 1/2パック(できれば国産の大豆100%のものを。)
※市販されている納豆菌を用意しても良。より手作りにこだわりたい方は納豆菌で作るとより良いですね。
納豆菌を使ったレシピはまたの機会に。
《道具》
・大きな鍋or圧力鍋(大豆を茹でる用)
・ボウル
・ザル
・キッチンペーパー
・ラップ
・保温のための器具(※今回は発泡スチロールとカイロ)
A )・スプーン
・納豆菌を取り出す湯飲み等
・タッパー等の容器(発酵用)
《下ごしらえ》
1.大豆を良く洗い、たっぷりの水(3~4倍量) に1晩漬けておく。
※大豆は約2倍に膨らむので大きめの容器で。
《作り方》
1.1晩漬けて戻しておいた大豆をザルにあけて水を切り、 鍋に移したっぷりの水で芯がなくなって柔らかくなるまで煮る。
2.3.Aの道具を煮沸等で消毒する。
3.湯飲み等に市販の納豆を入れ、熱湯を入れ混ぜ、納豆菌を準備する。
4.2をザルで湯切りをして、温かいうちに3を混ぜ、全体にいきわたるようにかき混ぜる。
5.容器にキッチンペーパーをしき、その上に4を入れ、さらにキッチンペーパーを重ねる。
6.5に穴をあけたアルミホイルかラップをかぶせ、40℃で保温して発酵させる。
※納豆菌の発育温度は40~45℃。50℃以上になると糸を引かなくなるので温度管理に注意!
7.半日ほど発酵させたら様子を見て、大豆の表面に白い膜がついているのを確認する。
8.保存用のタッパー等に小分けをし、冷蔵庫で1~2日熟成させて完成。
食材情報
大豆 … 性味:甘・平 帰経: 脾・胃・大腸
納豆 … 性味:甘・温 帰経: 脾・肺