陰陽論は、中医学の基礎となる考え方の一つである。
万物は陰と陽の2つの要素を持ち、互いに対立しながらも同時に依存し合い、常に変化を繰り返しているという、対立と調和の関係で成り立つ理論である。
陰には凝集、求心、衰退、静的、寒性などの性質があり、陽には放散、遠心、活動、動的、熱性などの性質がある。
健康状態を判断するうえで、この陰と陽のバランスをみることが大変役に立つ。
陰陽図(太極図)とは
白い部分は、「陽」を表し、黒い部分は「陰」を表す。
大きな白い部分の中の黒い点は、「陽」の中に「陰」があり、同様に、大きな黒い部分の中の白い点は、「陰」の中に「陽」があることを表している。
四季の変化で見れば、夏から秋、そして冬へと向かうときは陽の気が一番旺盛な状態から、徐々に陽の気が衰えて、陰が盛んになっていく状態を表す。
体調管理に役立つ陰陽論
陰の中に陽があり、陽の中に陰があるともいい、純粋に陽だけ、陰だけというものは存在せず、体内の陰陽のバランスがうまく保たれていると健康状態が良好である。
不調や病気は、陰陽どちらかが強くなったり、反対に弱くなったり、陰陽のバランスがくずれたときに起こると考えられるのだ。
陰陽のバランスがくずれたときに、立て直そうと働くのが自然治癒力で、薬膳は、この自然治癒力を十分働かせるようにさせるものなのである。
陰と陽の分類例