日本の誇る発酵食品であり定番調味料となったお味噌。
「母から子へ。」と受け継がれてきた家庭の味…だったのではないでしょうか。
なかなかおうちで作らなくなったお味噌ですが、くらしのだいじの味噌作り講座では、多くの方が「自分の味」、まさに手前味噌作りを楽しまれています。
「食育として親子で」、「お友達同士でお料理教室体験として」、「子供の自由研究で…」、「安心安全な手作り調味料を自作したくて」…などなど、参加理由は様々です。
日本人の生活に根差した味噌を手作りすることは、日々の食やくらしをていねいに生きることに繋がります。
毎日の1杯のお味噌汁をだいじに。自分や大切な人に日々のくらしの豊かさを。
薬膳的味噌作りの考え方とは
味噌は、大豆に麹や塩を合わせ発酵・熟成させて作ります。加工・熟成によって体内での消化吸収がしやすく分解され、旨みの元であるアミノ酸が多量に生成され、栄養価も風味もよりアップします。
味噌には抗酸化作用があり、最近では健康だけでなく、美容やアンチエイジングの面からも注目されていますね。薬膳としては、「脾胃」を温めて働きを高めてくれる優秀な食材です。
おなかの冷えや、余分なものの排出を助けたり、抗酸化作用もあり、二日酔いにも効果的。
麹の種類により「米みそ」「麦みそ」「豆みそ」に分類されます。地域によってお好みもあるので、自分好みの味に出来るのも手作り味噌のいいトコロ。
味噌の作り方
《材料》出来上がり量約5㎏
・大豆 1kg
・麹 1.5kg
・食塩 0.6㎏
・白湯 800~1000cc
《道具》
・大きな鍋or圧力鍋(大豆を茹でる用)
・大きなボウル(大豆と麹、塩を合わせる用)
・仕込み用の樽
・マッシャーorミキサーorすり鉢すりこぎ(大豆を潰す用)
・新聞紙
・ラップ
《下ごしらえ》
1.大豆を洗って一晩水につけておく。(夏:6~8時間、冬:10~14時間を目安に)
※大豆は約2倍に膨らむので大きめの容器で。
2.作業する台に広めに新聞紙をしいておく。 ※結構飛び散る
3.麹と食塩を合わせて塩切麹を作っておく。
《作り方》
1.はがれた大豆の皮は取り除き、鍋又は圧力鍋に大豆がかぶるくらいの水を入れ火にかける。沸騰し、灰汁がでたら、取り除く。
2.大豆が指で挟んでつぶせるくらい柔らかくなったら、茹で汁はザルにあげ、しっかりと湯きりする。このとき茹で汁は捨てずにとっておく。
3.2の大豆を、温かいうちにマッシャーやミキサー、すり鉢などで手早く潰す。
4.大豆と白湯(50℃ぐらい)800ccを混ぜ合わせ、体温ほどの温かさになったら、準備しておいた塩切麹を混ぜていく。耳たぶぐらいの固さにするため、足りなければ、白湯を加え調節する。
5.4を野球ボール程の大きさに分けて丸め、余分な空気が入らないように、樽の中に投げ込むようにして入れる。空気を抜きながら、詰めていく。
6.樽に全部の大豆を入れ終わったら、表面を平らにして食塩(分量外)を上にふりかけ、ラップをピッタリとかぶせる。
食べごろの時期は、仕込みをした時期によって変わりますが、6ヶ月が経過して、味噌独特の香りがきてきた頃です。様子を見て時々味見をしましょう。
9~10ヶ月も経過すると、おいしくいただけますよ。
出来上がった味噌を使った春の手仕事、“ふき味噌”のレシピはこちら
食材情報
味噌 … 性味:甘・温 帰経: 脾・胃・腎